古代から現代へ伝わる伝統製法!
歴史と共にシチリア天然海塩の巻
2023.6.16
カ・モンテ オンラインを運営する、モンテ物産の新入社員二年生、エリナちゃんが、部署の垣根を越えて色々な先輩に自社の商品について教えてもらうという、この企画。
エリナちゃんのお勉強に、読者の皆様もお付き合い。イタリアの食文化を深く楽しもう!!
- ??先輩
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はい、エリナちゃん、これ飲んでみて。
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え!?なんですか、これ?うわ!しょっぱ!!!ってか痛っ!!喉が・・・ゴホッゴホッ・・・!
- ??先輩
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はい、じゃあ次こっち。
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うわ!またしょっぱ!!あ、でも、こっちは飲めますね・・しょっぱいけど、甘味というか、 旨味というかを感じます、でも海で海水飲んじゃった時を思い出しました・・・
- ??先輩
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そういうことなんだよねー!(ドヤ顔)
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いやいやいや・・・どういうことですか。。。まずは簡単に自己紹介をお願いします~!
- 松嶋先輩
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えーっと、首都圏営業部の松嶋です。入社して、主に東京のホテルやレストランへの営業を6年ほどして、ミラノで4年半働き、帰国して今はまた最初と同じ東京を中心にホテルやレストランなどを担当しています。
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ミラノにもいらしたんですねー!松嶋先輩は外大(外国語大学)ご出身と伺いましたが・・・
- 松嶋先輩
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ある日ふと「なにか言語を勉強したい」と思って、NHKの外国語講座を1週間で全部見て。イタリア語の響きを聞いた時に「これを喋れるようになりたい」って思っちゃって。理系コースにいたのに高2の夏休みが終わったら「やっぱり文系の外大行きます」って言って、先生みんなビックリ!っていう、ハハハハハ~(笑)
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(笑)青春ですね。外大では留学もされてたんですか?
- 松嶋先輩
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うん、最初はフリウリで1か月くらい夏合宿みたいなのに参加して、そのあとフィレンツェに10か月、最後にシチリアの南にあるラグーザっていうとこに半年かな。
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今日教えていただくソサルト社の海塩、モティアのあるシチリアですね!! そういった意味でも思い入れのある商品でしょうか。
- 松嶋先輩
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そうだねー。エリナちゃんもシチリアは行った?
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行きましたー。パレルモとカターニアと、あとその間のチェファルとかがあるあたりに。
- 松嶋先輩
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チェファル~!海キレイだよね!!!パレルモへ向かう途中にあまりに海がキレイで途中で電車降りたもん。その時は寒くて海には入れなかったけど、きれいだなーってしばらく海を眺めて次の電車に乗ろうと思ったら全然電車来なくて。2時間遅れみたいな。
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えー!!!
- 松嶋先輩
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シチリアはよくあるんだよねー。全然時間通りに電車が来ない。バスも来ない。 ある時なんか急に「今日はもうバス来なくなったよー」って言われて、しょうがないから途中の街で泊まったり。
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シチリアって、南の島らしく、おおらかというか、ルーズというか、そんな感じですか?
- 松嶋先輩
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結構ルーズ。なんか沖縄時間って言われるような、ああいう感じだね。友達と約束しても、1時間くらい遅れるのは当たり前かな。たとえば夜遊びに行こうって20時に約束しても、下手したら22時半とか(笑)そんなのんびりしたシチリアにあるラグーザは、すごい小さい街で「何があるの?」って聞かれると、何かあったかな?っていうくらい何もない街だったけど、街並みがすごいキレイで、旧市街が世界遺産になっていたかな。あとはリストランテ・ドゥオーモっていうシチリアを代表する星付き高級レストランがあって、ここで修業した日本人シェフも結構いるよー。
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素敵な街ですねー。
- 松嶋先輩
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いきなり脱線したけど、今日話す塩を作っているトラパニは、西端だね。よく広告とかでも目にする、海がキレイすぎて船が浮いて見えるっていうことで有名なファヴィニャーナ島、それの対岸というか、シチリア本島側だよね。
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おおおー!そんなにキレイな海で造られる塩なんですねー。 どうやって海水から塩が造られるんでしょうか?
- 松嶋先輩
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超シンプルに、天日干し。シチリアの太陽と風、以上。塩田が段々畑になっていて、海水を引き入れて、沖の方から陸の方に、ちょっと蒸発したら海水を移して、ってじわじわじわじわ移していって、最終的に塩の結晶が残る、っていう感じ。蒸発の度に塩分濃度があがって、塩の結晶が底にたまるから、それを次の畑に移して~を繰り返して、最終的にこの写真みたいに塩の山ができる。だから、ほんと海の味そのまんま。
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なるほど~!だから最初に味見した時に海水にも感じたんですねー。 どのくらいの期間干すんですか?
- 松嶋先輩
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夏の間の、50~60日くらい。風車が回るくらいには風が吹くんだけど、割と穏やかな風かな。塩田は一面真っ白だから照り返しもあるし、40℃を越える日もあるから重労働だよね。
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暑そうですね~!昔からこのシンプルな方法なんでしょうか?
- 松嶋先輩
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もうほんと大昔の2000年以上前に、古代フェニキア人がこの塩作りを伝来させたと言われているけど、ほとんど今も同じ製法で。
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そうなんですねー。風車も塩作りに使用しているんですか?
- 松嶋先輩
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臼で挽いていくため、スクリューポンプみたいになっていて、海水を塩田から塩田へ移動させるための動力として。昔から塩の名産地として有名だからパルマの生ハム“プロシュット”もトラパニの海塩を使っているところが多い。
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生ハムにも!!生ハム大好きです~!お腹がすいてきましたー・・・。 わざわざ塩を北イタリアのエミリア=ロマーニャ州にあるパルマまで運んでいたんですか?
- 松嶋先輩
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そう。昔はピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィア、アマルフィが四大海洋国家と言われていて、海の覇権を争っていたんだけど、その頃は船で物を運ぶというのが主流だったから、シチリアからこの塩が各地に運ばれていったんだよ。それだけ品質の良い塩だっていうことが1つと、これだけ大規模な塩田って、他のエリアではできなかったからね。
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ふむふむ。
- 松嶋先輩
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塩ってサラリーの語源にもなったように、塩で賃金を払ったり、ヴィア・デル・サーレ (塩の道)と言われて、運んでいる道中の関税を塩で払ったり、塩はすごい貴重なものだった。
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なるほどー!サラリーマンのサラリーも由来は塩だったんですね!
- 松嶋先輩
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あとは、同じシチリアで造られているアンチョビにもこのモティアの塩が使われている。
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食品の原料としてもたくさん使用されているんですねー。他にも、イタリアレストランではかなりたくさんのお店でご使用いただいているとお聞きしましたが?
- 松嶋先輩
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ありがたいことに、たくさんのお店で使用してもらってるね。これ多分ね、隠れた名作だと思う。料理人って師匠が弟子に、技術やレシピやらを受け継いでいくものだったりすると思うんだけど、だからこそずっと使っていただいていて。みなさん気にせず使ってるんだけど、これで味のベースが良くなっている。だからこそ、ご家庭でも是非使っていただきたい、知っていただきたいんだよね、この塩の良さを。最初に味見してもらってわかったと思うけど、このモティアの海塩と精製塩、お湯に溶かすとわかりやすいでしょ?パスタは、ゆで汁で味が決まるってよく言われてるんだけど、その塩がおいしくないと、美味しいパスタにならない。イタリア料理じゃなくても、旨味とかミネラル感とかをしっかり感じたいんだったら、これを使ったほうが良いかな。
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ふむふむ。フィーノ(細粒)とグロッソ(粗粒)とありますが、違いは何でしょうか??
- 松嶋先輩
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パスタのゆで汁のときはグロッソ・・・習慣だね、ハハハハハ~(笑)あとは化粧塩として最後に振りかけるのは粗いほうがいいかな。その他全般的には細かいフィーノ。
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なるほどー。そういう使い分けなんですねー。ところでこの商品のパッケージはこの塩田の風景ですが、フラミンゴが描かれています。なぜフラミンゴがいるんでしょうか!?
- 松嶋先輩
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塩田にフラミンゴがプランクトンを食べに来るんだよ。何度も目にしたけど、結構な数だった。フラミンゴが毎年たくさん来るくらい、栄養豊富な海ってことだね。
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なるほどです!この塩田にはお客様をアテンドすることもありましたか??
- 松嶋先輩
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あんまり多くはないかなー、州都のパレルモから3時間くらいかかるしね。シェフとかはたまに連れて行ったけど、迫力もあるし凄い驚いてもらえる。
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なかなか貴重な機会になりますね!イタリアでお客様をアテンドしていて大変だったことってありますか?
- 松嶋先輩
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トラブルだと~バスを貸し切って、お客様を30人くらい連れて移動しているときに、突然バスが故障して動かなくなったことがあるね。
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えー!!!
- 松嶋先輩
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サービスエリアの出口で急に止まって、後続がつっかえて大渋滞。なんか最新のバスだったがために「電子制御だからどうにもならないやー、ヘルプが来るまではダメだ」って。とりあえずお客さんにはサービスエリアに戻ってもらって。で、バスをどかさなきゃいけないから、上司と、自分と運転手さんの3人で押して、とりあえず動いたんだよ!前から3人で、1、2、3ってやったら(笑)。
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すごいですね(笑)
- 松嶋先輩
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それで代車のバスが来て、このあとの予定がディナーだったのね。この「教えて!モンテさん」カルチョーフィ中毒のイタリア人が認める、日本で見つけた本場の味の巻に登場しているエリーザのお父さんのレストランで、もちろん遅くなるからキャンセルしようとしたんだけど「いいよいいよ、待ってるよ」と言ってくれて。本当だったら8時半とかに着く予定だったんだけど、着いたのが11時半。普通のフルコースだったんだけど、お店が物凄い手際の良さで。普通にみんな会話しながら食べて飲んでをしたんだけど、1時間で終わった。あの時お客さんも感動して、最後は拍手してたもん、ハハハハ~(笑)。
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奇跡ですね(笑) それでは最後にカ・モンテ オンラインのお客様へ一言お願いいたします!
- 松嶋先輩
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まず使ってみてください!としか言いようがないけど、使えばわかります!塩は味の基礎だから、塩をこれに変えればベースがグッとあがるかと思います。あとは、パスタを茹でる時にはお湯にしっかり入れるのがオススメです。
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松嶋先輩、ありがとうございました!
あとがき
今回は、モンテ物産のミラノ事務所に駐在されていた松嶋先輩にお話を伺いました! 留学やお仕事でシチリアにも長くいらした松嶋先輩の、おおらかなシチリアエピソードが楽しかったです。
ご紹介いただいた天然海塩を使って、その美味しさをシンプルに感じられる、塩おむすびと浅漬けを作ってみました。もちろん、味付けはこのお塩だけ!いただいてみると、お塩の旨味やミネラル感が確かに感じられます。
遥かなシチリアの海を味わっていると思うと、具なしの塩おむすびも、なんだか贅沢に感じられました!サラダや野菜炒め、焼き魚の味付けに使っても、とっても美味しかったです。
皆様もぜひ、普段の料理にシチリアの海の恵みを加えてみませんか?
次回もお楽しみに!
今回ピックアップした商品
※掲載記事の情報は2022年3月にご購入者様へ配布した記事を元に作成したものです。
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