CAPUTOで作るフランスの粉もの Vol.11 【Sablé salé　サブレ・サレ】2022.08.15

今月のCAPUTOで作るフランスの粉ものも、前回前々回と同じく、6月に新発売になったパティスリー向けの小麦粉パスティッチェリアを使ったレシピをご紹介します。

パスティッチェリアを使い続けていて改めて思うのは、小麦の味わいがストレートに伝わるので、その風味に負けない、しっかりした味わいの焼き菓子に使いたい小麦粉です。また、他の素材の良さも引き立てるので、チーズやスパイス、胡麻やナッツなどとも相性が良いと思います。
そして、印象的な食感に仕上がるのもこのパスティッチェリアの最大の強み。歯触りがサクっと、口に入れるとほろっともろく崩れるような食感で、口当たりが軽やかに仕上がるのです。

そんなパスティッチェリアの特徴をいかして、今回ご紹介するのは、私が長く作り続けている『チーズとスパイスのおつまみクッキー』。チーズの塩味とスパイスの辛みの効いた、しっかりした味のお酒がすすむクッキーです。

ペアリングに選んだのは、まだ暑い日の続くアペロタイムに、バーベキューにぴったりのイタリアシチリア島のスパークリングワイン。このスパークリングに合わせて、加えるチーズはオランダの代表的な硬質チーズのエダムチーズ、スパイスはぴりっと辛みを効かせたいけどチーズの香りを立たせたいので、香りがあまり強くないカイエンヌペッパーを使っています。

空気を含ませずに、ただただ順に材料を混ぜていくだけの簡単レシピなのですが、美しく成形するには、いくつかポイントがあります。
一つ目のポイントは、生地をひとつにまとめたら、冷蔵庫でしっかりと休ませること。
二つ目のポイントは、柔らかくなりやすい生地なので、作業の途中でも生地が柔らかくなってきたら中断し、随時冷凍庫や冷蔵庫に少し入れて生地を固く扱いやすくしてから、作業を進めるようにしてください。

焼きあがったところから、香ばしい香りにそそられて、何度作っていても味見が止まらなくなってしまいます。
焼きたても美味しいですが、１~２日置くと、チーズとスパイスがより馴染んで更に美味しく召し上がって頂けると思います。
夏の終わりに、ワインのお供に是非お試しください。

エダムチーズとスパイスのクッキー

＜材料＞

作りやすい分量

無塩バター: ５０ｇ
塩: 少々
粉糖: １０ｇ
エダムチーズ(粉状のもの): ２５ｇ+２０ｇ
カイエンヌペッパー: 少々
卵: １５ｇ
牛乳: １０ｇ
パスティッチェリア: ８５ｇ
ベーキングパウダー: 小さじ１/３
卵白: 適量

＜下準備＞

バターは室温に戻し、柔らかくしておく。

＜作り方＞

①柔らかくなったバターに塩と粉糖を加えすり混ぜる。空気を含ませずにただホイッパーで混ぜるだけ。
②エダムチーズ２５ｇとカイエンヌペッパーをひとつまみ加えて混ぜ合わせる。
③卵と牛乳を合わせ、②に何回かに分けながら、混ぜ合わせる。
④パスティッチェリアとベーキングパウダーは合わせてふるい入れ、ゴムベラで切り混ぜて、生地をひとつにまとめる。ラップで包み、冷蔵庫で3時間以上休ませる。

⑤打ち粉(パスティッチェリア分量外)をして、生地を厚さ約５㎜にのばす。(この時、オーブンシートに挟んでのばすと作業しやすい。)

⑥表面に刷毛で卵白を塗り、残りのエダムチーズ２０gをふりかけ、カイエンヌペッパーを散らす。密着させるために掌で軽く押し付けるようにすると良い。約６㎝×１㎝強のスティック状にカットして、オーブン板に少し間隔を空けて並べる。

⑦１７０℃に予熱したオーブンで、約１５~２０分間焼く。
※ベースの生地はそのままに、チーズは溶けない硬質のものであれば何でも、スパイスもお好みにアレンジOK。
※チーズがたっぷり入るため火通りがあまりよくないので、最低15分は焼くこと。途中色が付きすぎる場合は、温度を下げながら最低15分はしっかりと焼いてください。

合わせたワイン

Duca di Salaparuta　/　Duca di Salaparuta Brut
ドゥーカ・ディ・サラパルータ　/　ドゥーカ・ディ・サラパルータ・ブリュット

イタリアのシチリア島のグレカニコとシャルドネから造られるスパークリングワイン。澱と共に熟成させているので、かすかなトーストのような香りが、おつまみクッキーのチーズの香ばしさやパスティッチェリアとバターの風味と好相性。フレッシュで、主張しすぎずバランスがよいので、暑い日のスターターにぴったり。コストパフォーマンスの良いスパークリングワインです。