ヴィネガーを使いこなす!
ワインのおつまみレシピ vol.5
鯵のエスカベッシュ
2024.5.15
イタリアの家庭には必ずと言っていいほど常備されているワインヴィネガー。日本の家庭で一般的な、穀物酢や米酢との併用にお悩みの方も多いのではないでしょうか?余りがちなワインヴィネガーも、美味しくてワインに合う人気の料理に大変身!料理の幅がぐっと広がる、ヴィネガー使いこなしのレシピシリーズ、料理研究家の西祐子さんに教えていただきます。料理に合わせて、楽しいワイン選びもご紹介。
鯵のエスカベッシュ
ヴィネガーを使いこなすレシピの連載で、ぜひご紹介したかったのがこのエスカベッシュ。季節を問わずに我が家の食卓で登場回数の多いヴィネガー料理のひとつです。
季節の魚を揚げ焼きにして、ヴィネガーをベースに酸味を効かせた野菜などのマリネ液をかけたフランスの定番料理ですが、季節や合わせたいワインによって多くのアレンジを楽しめるので、私にとっては作っていて楽しい料理でもあります。それは素材の魚の種類だけでなく、ヴィネガーにどんな柑橘の風味をプラスするか、なんのスパイスを重ねるかで、味わいのレイヤーが幾通りにも出来るから。味わいの軸となるヴィネガーは、さわやかな酸味と色味を邪魔しない白ワインヴィネガーを選ぶのがおすすめ。特に、フランチェスコ公爵の白ワインヴィネガーは、ブドウの果実味も感じられるのが嬉しいポイントです。
今回合わせるワインは、ウマニ・ロンキの造るヴェルディッキオ100%の白ワインを選びました。口当たりはさわやかな柑橘の香りと酸が印象的ですが、澱と共に熟成させることによりまろやかさとアルコールのボリューム感も楽しめるのが特徴です。このワインに合わせて、白ワインヴィネガーをベースにフレッシュな酸のレモンをプラスしました。これから暑く湿気の多い季節になるので少しの辛みに、パプリカパウダーやコリアンダーやピンクペッパーで風味を、乾煎りした松の実やドライレーズンを加えることで味わいの厚みをプラスしています。
ワインを選ぶのも、味わいのレイヤーを考えるのも楽しいエスカベッシュ、初夏のワインのお供にぜひお試しください。
<材料>
2人分
- 鯵
(3枚におろし、
ゼイゴを取る) - 2尾
- 塩
- 少々
- パプリカパウダー
- 少々
- カイエンヌペッパー
(お好みで) - ごく少々
- 薄力粉
- 適量
- オリーブオイル
- 適量
- ローズマリー
- 1本
- オリーブオイル
- 適量
- レモンの皮
のすりおろし
(ノーワックスのもの) - 1/2個分
- パプリカパウダー
- 少々
- カイエンヌペッパー
(お好みで) - ごく少々
- にんにく(つぶす)
- 1片
- 赤唐辛子(種を取る)
- 1/2本
- ローリエ
- 1枚
- 玉ねぎ(スライス)
- 1/4個
- セロリ(千切り)
- 1/3本
- にんじん(千切り)
- 1/3本
- パプリカ(黄)(スライス)
- 1/4個
- セロリの葉 (細かく刻む)
- 適量
- フランチェスコ公爵の
白ワインヴィネガー - 30cc
- レモンのしぼり汁
- 1/2個分
- ドライレーズン
(水で10分程戻しておく) - 8g
- コリアンダー
(ホール・すりつぶす) - 小さじ1/2
- ピンクペッパー
(ホール・すりつぶす) - 小さじ1/2
- 砂糖
- 小さじ1/2
- 白ワイン
- 50cc
- 松の実
(フライパンで
乾煎りする) - 5g
- イタリアンパセリ
(お好みで) - 適量
<作り方>
- 鯵は塩を少々して5分程置く。水分が出てきていたらキッチンペーパーで取り、パプリカパウダーとカイエンヌペッパーを少々して、薄力粉を薄くはたく。
- フライパンに多めのオリーブオイルとローズマリーを温め、①の鯵の皮目を下にして、揚げ焼きにする。皮目をしっかりと焼いたらひっくり返して火から外し、そのまま5分程置いて身の方はフライパンの予熱で火を入れる。
- バットにBを入れ、②のローズマリーを底にこすりつけるようにして香りを移す。
- ②の鯵に火が入ったら、③のバットに皮目を上にして移す。
- ②のフライパンのオイルはそのままにして、にんにく、赤唐辛子、ローリエを加え、香りを出す。
- 玉ねぎとセロリ、にんじん、パプリカ、セロリの葉も加え、弱火でじっくりと炒める。
- Cを加えて、しっかりと煮詰める。
- 白ワインも加えて、更に煮詰める。水分が少し残るくらいが目安。塩で味を整える。
- ④の鯵を覆うように熱い⑧をかける。松の実の半量を散らす。急冷せずにゆっくりと粗熱を取り、味を含ませると良い。
- 器に盛り、松の実を散らし、お好みでイタリアンパセリを散らす。
<ポイント>
- ✓鯵を揚げ焼きする際は、皮目で8割火を通し身の方は予熱で火を入れることで、ふっくらと仕上がります。
- ✓カイエンヌペッパーは辛みが強いので、お好みで適宜量を調整してください。
- ✓パプリカパウダーやカイエンヌペッパー、コリアンダー、ピンクペッパーの風味を活かすために胡椒は使用しません。
- ✓⑦の白ワインヴィネガーとレモンのしぼり汁は、酸味が強くなるので、水分が完全になくなるまでしっかりと煮詰めてください。その際に強火でに詰めてしまうと風味が凝縮する前に水分のみ蒸発してしまうので、中火弱で煮詰めるのがポイントです。
- ✓合わせるワインによって加える柑橘はオレンジやグレープフルーツなどでも。
- ✓2~3日間は冷蔵庫で保存可能です。
合わせたワイン
Umani Ronchi / "Casal di Serra" Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore 2022
ウマニ・ロンキ / “カサル・ディ・セッラ”ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ・クラッシコ・スペリオーレ 2022
ヴェルディッキオ100%で造られる、マルケ州のオーガニックの白ワイン。収量を落として、ブドウを遅摘みにすることで、完熟且つ濃縮感のあるヴェルディッキオを使っているそう。口当たりはさわやかな柑橘の香りと共に、フレッシュな酸味が特徴ですが、その酸味から徐々に華やかな果実味や、アルコールのボリューム感を楽しめるワインです。火を通した魚料理や鶏肉など白身の肉料理と相性が良いかと思います。あまり冷やしすぎずにサーブするのがおすすめです。
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